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最新トピックス

2011-03-24 眼に対する放射線汚染の対応

 済生会新潟第二病院眼科 安藤伸朗先生の情報を、「眼の会」の榊原道眞さんから転送して頂いたものです。


 今回の災害では、地震による被害だけでなく、津波による被害、そして放射能による健康被害が問題となっています。健康被害について、誰でもがアクセスできる情報として、YAHOOに下記サイト(放射線の数値とその影響を理解する)があります。
 http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/domestic/fukushima_nuclear_threat/#infoHeader1


 放射線の眼に対する影響と対策について、日本眼科医会のホームページに掲 載されています。
   日本眼科医会 http://www.gankaikai.or.jp/

「眼に対する放射能汚染への対応」日本眼科医会(3月16日アップデイト)
  http://www.menokenko.jp/htmlbook/news/news02.html
 1)眼の粘膜からの吸収を防ぐ
 ・眼の粘膜は皮膚よりも放射性物質を吸収しやすいとされています。
 ・生理的食塩水または水道水で、眼が傷つかないようにやさしく 洗浄して  ください。
  ※その際、目頭を押さえて、鼻涙管から汚染水が鼻の中に入らないように   注意します。
 ・まぶたに関しては皮膚への汚染と同様に扱ってください。
  ※中性洗剤と濡れガーゼでやさしく拭き取り、水で洗浄。
  ※あまり強くこすると皮膚のバリアが破壊され、むしろ皮膚内部に入り込   む可能性があります。
 2)白内障
 ・時間が経過してから起こる影響として、線量が高い場合に数ヶ月、低い場  合には数年の期間を経て白内障が発症することがあります。
 ・被曝した集団の1〜5%において白内障が発症する最低線量(閾値)は急性被  曝で2〜10Gy、慢性被曝で0.15Gy/年程度といわれています。
 ・白内障は発症したとしても手術で確実に治療することが可能ですので、大  きな心配はありません。

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 注:放射線の性質を表す4つの量
 http://www.atomin.go.jp/atomin/high_sch/reference/radiation/jintai/index_03.html
 1.放射線のエネルギー(電子ボルト:eV)
 2.放射線を放出する放射能の強さ(ベクレル:Bq)
 3.物質や人体が吸収した放射線の量(グレイ:Gy)
 4.放射線の人体への影響を表す線量等量(シーベルト:Sv)

グレイ:Gy
 放射線は物質に入ると吸収されるため、その程度を表す単位も必要となる。 物質や人体1kgあたり1J(ジュール)の放射線によるエネルギーが与えられたと き、1Gy(グレイ)の放射線量を吸収したという。

シーベルト:Sv
 放射線にはα線、β線その他いろいろあり、同じ量の吸収線量が人体に与え られた場合でも、現れる影響の度合いが異なる。それは、放射線の種類によ って細胞のなかの原子に電離を起こさせる程度が異なる
 からである。人体の影響は与えられたエネルギーではなく、臓器や組織の細 胞にどれだけ電離が起こったかによって決まる。このように、受けた放射線 の種類に関係なく、人体の影響を表す量があったほうが、影響を考える場合 便利であり、このための量として線量当量(シーベルト)が使われるようにな った。
 1Sv(シーベルト)とは1Gy(グレイ)のガンマ線によって人体の組織に対する影 響で定義されているため、直接の測定は困難である。そのため、吸収線量Gy (グレイ)をもとにし、それに放射線の種類、エネルギーなどによる影響の大 きさを補正(放射線荷重係数)してSv(シーベルト)を求める。線量当量は次の ような式で示される。

 線量当量(シーベルト)=(吸収線量)×(放射線荷重係数)

 白内障を起こす放射線量は、5シーベルト。

 放射線荷重係数の求め方
 白内障を起こさせる吸収線量が、ガンマ線で5Gy(グレイ)、中性子で1Gy(グレ イ)である場合、中性子の吸収線量1Gyは線量当量では5Sv(シーベルト)である ので、放射線荷重係数は5であるというように使う。つまり、中性子はガンマ 線より5倍も生物学的な影響があると評価する。

 放射線荷重係数 (1997年ICRP勧告値)
  1 〜 x線・ガンマ線・ベータ線(電子)
  10 〜 陽子
  2.3-20 〜 中性子 (中性子エネルギーに依存)
  20 〜 アルファ線

 1Sv(シーベルト)は放射線障害が出現し始める程度である。自然放射線の環境 や放射線を用いる作業に従事している人の被ばくを取り扱うときの値として は大きすぎるので、mSv(ミリシーベルト)、μSv(マイクロシーベルト) など の単位が用いられる。(m<ミリ>=1/1,000、μ<マイクロ>=1/1000,000)


2011-03-01 最新医療のトピックス 〜QOLの向上をめざして〜

2月19日に伊丹市ロービジョンフェア(スワンホール)で講演しました。

 最新医療とは、再生医療、人工視覚(網膜)、遺伝子治療を言いますが、最近は新薬の開発についついても言及しました。

 ・ 再生医療
 再生医療は、どの様な組織にも発達する幹細胞(Stem Cell)を用います。幹細胞には2種類あります。胚性(ES)幹細胞と人工多能性(iPS)幹細胞です。ES細胞はヒト受精卵を用いますので倫理的な問題(生命の芽を減失してしまう)があり、日本では使用は限られています。一方、2007年に京都大学の山中伸弥先生がヒト線維芽細胞に4つの遺伝子を導入して作成に成功した人工多能性(iPS)幹細胞で、臨床応用も期待されています。
 眼科再生医療の研究は理化学研究所の高橋政代先生が精力的にされています。再生細胞の対象は、視細胞と網膜色素細胞で、視細胞は網膜色素変性症に、網膜色素細胞は加齢黄斑変性症に用います。まず最初の臨床応用は、加齢黄斑変性症の滲出型の新生血管の発生を防ぐために網膜下に網膜色素細胞を注入します。次に網膜色素変性症に視細胞を移植しますが、各細胞同士の連絡(シナプス)の構築が必要です。
 厚労省がiPS細胞研究のロードマップを発表しています。網膜色素細胞の臨床研究は平成25年、視細胞については平成28年頃に開始されるとしています。

・ 人工視覚 (網膜)
 大阪大学の不二門 尚先生を中心に以前から研究されています。昨年の12月に、失明した網膜色素変性症の患者さんに人工視覚装置を導入して、光を感じたと報道がありました(読売新聞)。現在は、9個の電極で刺激して、黒色のバックの中の白い棒の見分けが付くそうです。将来は49個の電極を用い、ヒトの動きが分かるようにしたいと話されています。実際は白色の点で判別しますので、日常生活には学習とロービジョンケアが必要とのことです。

・ 遺伝子治療
 網膜色素変性症の治療(RP)に行います。しかし、RPに関与する遺伝子は40種類以上(多因子性)見つかっており、どの遺伝子が原因か同定するのに時間と経費がかかります。そこで、現実的には劣性遺伝には必要な蛋白の生成不足があるので、視細胞のアポトーシス(自然死)を抑制する遺伝子を導入します。優性遺伝の場合は異常蛋白の過剰産生があるので、神経保護因子を導入します。九州大学の池田先生のグループではマウスで実験的に成功しています。

・ その他の治療法
  オキュセバ点眼薬は緑内障治療点眼薬のウノプロストン(レスキュラ)を基盤として改良されたものです。神経保護と脈絡膜循環改善作用があり、RPの患者さんの網膜感度の改善や視野狭窄の進行抑制作用などある事が、千葉大学の山本修一先生をはじめ長崎大学や名古屋大学からも報告されている。現在、厚労省の第3相治験に入っています。
 チャネルロドプシン(緑藻類)の網膜細胞内導入により視覚改善が見られたと東北大学の菅野恵里子の報告があります。しかし、青色領域の視覚情報のみ判別可能で、今のところ赤、黄色の識別は出来ないので改良が必要です。

 以上、最新医療について述べましたが、どの先生方も最新医療か臨床応用されても“ロービジョン ケア”の必要性は変わらないと言われています。

2010-12-15 シャンソン コンサート を開催しました

11月7日(日)、当院主催で、シャンソン・コンサートを尼崎市のホテルニューアルカイックで開催致しました。シンガーは菅尾玲子さんで、シャンソンはもとより、叙情歌を12曲の熱唱でした。300名で大入り満員で、皆さん一同に感激でした。
9月にJRPS(日本網膜色素変性症協会)兵庫県支部の方々とお会いする機会があり、今回のコンサートの話題が出て、JRPSのメンバーをご招待いたしました。

2010-11-15 最新式「人工眼」 〜榊原道眞氏からの情報です〜

最新式「人工眼」が成功、歩き回るほどにも視力回復
2010年11月11日 16:11 発信地:パリ/フランス
【11月11日AFP】ドイツの医師チームが3日、網膜下に埋め込む最新式の「人工眼」によって、進行性疾患で中途失明した患者の視力を劇的に回復することに成功したと発表した。
 手術を受けて「人工眼」を装着した被験者3人は全員、物やその形を認識することができるようになり、そのうち1人は部屋の中を歩き回ったり、時計を読んだり、7段階の灰色のグラデーションを見分けることさえもできた。
 学術専門誌「英国王立協会紀要(Proceedings of the Royal SocietyB)」に発表論文を掲載した同協会は、「電気視覚人工器官における画期的な前進。
網膜色素変性によって視力を失った世界の20万人の生活に革命をもたらすだろう」と賞賛した。網膜色素変性は、眼球の後ろの網膜にある光受容器が徐々に機能しなくなる進行性の疾患だ。
 外科分野では過去7年にわたって、人工器官を網膜に埋め込み、眼鏡に装着した極小の外部カメラとつなぐ「人工眼」の開発に取り組んできた。カメラが拾った光をプロセッサ装置を通し、電気信号に変えて人工器官へ送信し、さらに器官から視神経へそのデータを送って脳に映像を見せる仕組みだ。
 今回成功した新たな装置はこれをさらに一歩進めたもので、眼のレンズである水晶体を自然に通過してきた光をとらえる。専門的には「網膜下埋め込み型」と呼ばれ、機能が失われた光受容器の代わりに、1500個の光センサーからなるマイクロチップを網膜の下に装着する方式だ。脳は視神経を通じて38×40ピクセルの極小の映像を受信する。
 論文によると、視力を失っていた被験者3人は、「暗いテーブルに置かれた明るい色のものを見つけることができ、2人は異なる格子柄のパターンを見分けることもできた。その上、1人はフォークやナイフ、果物といった物の名前を挙げて区別することができたほか、幾何学パターンを見分け、さらに15%の濃度差しかない灰色の濃淡を見分けることができた」という。しかも「数年にわたって目が見えなかったにもかかわらず、視力回復後にはトレーニング時間をまったく設けずに、部屋の中を自由に歩き回り、大きな文字であればきちんと単語として読むことができた」という。
 この装置はドイツの企業レティナル・インプラント(Retinal Implant)と、同社の共同設立者、エーベルハルト・ズレンナー(EberhartZrenner)教授が所属する独テュービンゲン大学(University ofTuebingen)眼科研究所が開発した。ズレンナー教授は、視覚機能を再生する方法の「コンセプトを証明」した研究だと述べている。

2010-04-23 JRPS兵庫県支部“コンサート”に参加して

4月18日、日本網膜色素変性症協会(JRPS)兵庫県支部のコンサートに参加しました。メインゲストは、「La・紗汎(ラ・シャボン)」で、シンセサイザーとお琴・三味線の和楽器とのコラボレイションです。ジャンルは、古典音楽、流行歌、童謡から近代音楽まで何でも演奏します。どの分野の音楽もそれにマッチし、心地よい和音が楽しめました。そして大阪支部からハーモニカのグループ「とてーと」の演奏です。多くの種類のハーモニカを使い、熱演でした。私の家内もシャンソンと菅尾玲子先生のオリジナル「母」を歌いました。今回は4回目で、第1回は菅尾玲子先生(シャンソン歌手、カンッオーネ西日本一位にもなっておられます)のコンサートでした。私と家内は全てに参加しています。今回、私達の友人も参加し、「こちらの方がパワーをもらいましたね。」と言っていました。全くその通りですよ。次回も楽しみにしています。

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