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最新トピックス

2010-03-30 緑内障治療のコンプライアンスとアドヒアランス 〜改善と向上を目指して〜

第116回兵庫県眼科医会学術集談会で発表しました。

目的:平成17年5〜6月の1ヶ月間に、緑内障治療のコンプライアンス(患者さんが指示された通りに点眼しているかどうか)について124名にアンケ−ト調査を施行しました。近年、数種類のプロスタグランジン製剤の点眼薬(眼圧のコントロールに優れている薬です)が開発され、治療の実態の変化も予想され、平成21年7〜8月の1ヶ月間に125名のアンケ−ト調査を実施しました。その中で、コンプライアンス不良例20名に対して、アンケ−ト調査そのものが治療意識の向上、つまりアドヒアランス(患者さんと医師及び薬剤師が一緒に治療について考える事です)に関与していると考え、3ヶ月後に再度アンケ−ト調査を施行し、検討しました。

結果:平成17年と平成21年のアンケ−ト調査結果について比較しました。
コンプライアンス値は85%と84%で同様でした。病型別割合では、正常眼圧緑内障(当ホームページの緑内障をご参照下さい)が39%から47%に増えていました。使っている点眼薬の数は2.14本から1.38を本に減っていました。
コンプアンス不良例20名の2回目の結果は、コンプライアンス改善率が86%でした(アンケートを取ることによって、点眼を自主的にするようになりました)。
さらに、眼圧コントロ−ル不良11例で薬剤を切換えた症例についても検討しました。切換後のコンプライアンス改善率は82%であった。また、眼圧コントロ−ルも良好になり、全症例で眼圧下降率は21.7%でした。点眼薬変える事も治療改善のきっかけとなるようです。

結論:アンケ−ト調査を受ける事によって、医師と一緒に治療について参加し、患者さんが積極的に考える良い機会となり、治療効果の改善につながり、アドヒアランスの向上になりました。

2010-02-19 田中康夫さんの車座集会に参加して

JRPS(日本網膜色素変性症協会)兵庫県支部長の榊原さんからメールが来ました。
「“田中康夫さんの車座集会”をしますが参加しませんか。」「喜んで参加します。」と早速返事しました。2月14日、尼崎市勤労福祉会館で開催されました。発起人は榊原道眞さん、全国パーキンソン病友の会兵庫県支部の共催で、だれでも参加できました。国会議員や公の方と直接お話しできる機会を作られたのは大変有意義な事と思いました。

 衆議院議員の田中康夫さん(さんと呼ばせて頂きます)とは、尼崎市医師会の新年祝賀会に参加した時にお見受けしました。家に帰って家内に「TVで見た時より、ずっ〜と好感のもてる人だったよ。」言いました。その後、尼崎市医師会で御講演を拝聴する機会があり、私は政治・経済に疎く、全部理解は出来ませんでしたが、成る程とうなずける事ばかりでした。
その講演を聞き、田中康夫さんは勿論知識は豊富ですが、知性的で、ユーモアに富み、人間味あふれる方でした。

御講演の中で印象に残った事は、長野県知事時代に実行された事で、その場所の風景とマッチし、しかも強度は鉄製と同じ「木製のガードレール」を作られ、その木は長野県で調達し、作業も長野県の人がしたので県人の方々の仕事も増えた事。そして「宅幼老所」、(初めて聴く言葉です)、それは、近くの空いている家や部屋があれば、そこにお世話する人、お年寄りと子供達が一緒に過ごし、お年寄りは子供と遊んだり、お食事をしたり、子供は昔話を聞いたり、洋服のほころびを直して貰ったりして、お互いに楽しく過ごせるシステムを作られたそうです。デイケアーなどでわざわざ遠方までバスに乗っていかなくても良いし、箱物を作る費用もいらず、良いアイディアと思います。発想の転換でしょう。その他、「フランスのパン屋さんの定義と法律」、「ベーシック インカム」など・・・機会がありましたら、皆さん是非講演をお聞き下さい。

 さて、参加者からの質問や、今おかれえいる現状ですが:

1) 父親(97歳)が“じょく創”から、片足を切断せざるを得ず、介護の要請にある市役所に行ったが、各部所を転々とされて、介護の認定に至らなかった。相談の窓口をはっきりしてほしい。(尼崎市では、福祉課に行って相談しますと、家族の方が現状を書く用紙をもらい、それを主治医に持って行き、必要でしたら、介護認定の委員会で協議されます。)

2) 私の子供は小学生2年で網膜色素変性症と診断され、視覚障害を持っています。事業仕分けで、科学研究費も削減されるそうですが、再生医療のiPS細胞などの研究費も削減されると、本当に希望も無くなります。

3) 市や地区により、視覚障害者に対する介助者の派遣などの援助の程度に違いがあり、大変不自由されている方もいます。せめて、県内はどこも同じ条件で援助してほしいです。

4) 「ロービジョン ケア」に理解を示し、私たちと一緒に一生懸命がんばっている眼科医がいますが、保険でロービジョンの点数がありません。何とかなりませんでしょうか。

5) 私は、パーキンソン病で、外出もままなりません。市役所などに書類を持って行って頂ける方の援助が必要です。
など、活発な意見交換がなされました。

 田中康夫さんは、その一つ一つに耳を傾けられ、ご助言されたり、国会の担当の人に伝言しておきますと、熱心に話されていました。
時間もあっという間に過ぎ、予定より1時間近くオーバーし、大変有意義な会でした。
 

2010-01-30 最新の網膜再生医療

 ワシントン大学のThomas A. Rehらのグループにより、ヒトiPS細胞から光受容体(視細胞)を分化誘導し、FACSで精製、マウスの網膜に移植して定着を確認したという論文が発表されました。

 バックグランド:遺伝性の網膜疾患は、しばしば視覚障害の原因になりに視細胞移植は視覚機能を回復させることが出来るかもしれません。細胞移植治療において網膜神経組織を供給する為に我々は人ES細胞から網膜前駆細胞を採取する方法を開発した。

私たちはiPS細胞より視細胞を生み出す能力のある網膜前駆細胞を作り出した。またFACSという方法でiPS細胞より視細胞を純化させることが出来ました。それよりも我々はFACSの方法により純化したiPS細胞由来の視細胞がねずみの正常な網膜の中に入っていきそして視細胞独特のマーカーを発現しているのを確認しました。

結果:このレポートは、沢山の視細胞がiPS細胞より作ることが出来るというを証明しました。

 (JRPS兵庫県支部長 榊原道眞氏からの情報です)

2009-11-06 緑藻遺伝子で視力再生 ラットで成功

東北大グループ、緑藻遺伝子で視力再生 ラットで成功

 クラミドモナスという光を感知できる緑藻の遺伝子を目に注入することにより、特定の疾病で失明した場合は正常時とほぼ同じ視力を回復することが東北大国際高等融合領域研究所の富田浩史准教授(分子生物学)と菅野江里子助教(細胞工学)らの研究で分かった。ラットを使った実験での効果だが、この遺伝子治療を人間に応用して用化できれば失明の治療につながると期待される。

 中途失明者のうち遺伝性の網膜色素変性症や、近年高齢者に増加している加齢黄斑(おうはん)変性症が失明原因の上位を占める。必ず失明に至るとは限らないが、有効な治療法はないという。

 これらの疾病で失明した場合、網膜にある光を受け取る視細胞は機能しなくなる。ただ脳に情報を伝える役割を担う網膜の神経節細胞は、正常な状態で残っていることが分かっている。

 研究グループはこの点に着目。失明させたラットの実験で、神経節細胞に緑藻の遺伝子を注入して視細胞の機能を新たに与えることに成功した。

 さらに視覚の回復程度も検証。緑藻の遺伝子を持つラットの場合、視細胞を壊しても神経節細胞がその機能を代替し、正常な状態と同程度の視力を持つことを証明した。また明暗の差を見分ける能力は正常時よりも高くなった。

 ただ緑藻の遺伝子は青色しか感知できないなどの課題もある。今後、サルなどでも検証を重ねた上で臨床試験実施を目指す。
 研究成果は4日(日本時間5日)、米オンライン学術誌に掲載された。

 (JRPS兵庫県支部長 榊原眞道氏からの情報です)

2009-11-05 アイフェスタ in 神戸に相談医として参加して

10月18日、JRPS(網膜色素変性症協会)兵庫県支部が主催したアイフェスタ2009in 神戸に相談医として参加しました。
遮光レンズ、ルーペをはじめ視覚障害者用パソコンソフト、拡大読書機、音声情報機器、音声誘導装置などの最新の機器の展示、インテリジェント車いす「ひとみ」(盲導犬ロボット)の体験コーナーもあり、大変盛況でした。
「眼科医による無料相談コーナー」には、山縣祥隆先生(西宮市)、山本博之先生(新日鐵広畑病院)、宍田克己先生(あさぎり病院)と私4人で担当しました。
午前10時45分から昼食をはさんで午後2時35分まで、各質問に対して35分間です。質問に回答するというより、お互いに気楽に、一緒に話し合うといった感じです。各担当医に5つの質問が割り当てられます。2〜3人で来られる方が多いです。

質問の内容を下記に、担当者の順番に記載します。(RPは網膜色素変性症の略)質問はRP以外の疾患も受け付けていますが、3名でした。
1)RP。36歳 病気の今後についての不安、他。
2)RP。同じ両親から 生れた兄弟が 同じ 色変なのに、それぞれに 症状の進み方、症状の違いがあります。 遺伝子は 同じだとおもうのですが。
3)RPと白内障について、他。
4)RP。遮光レンズ、その他病気についての今後への不安、他。
5)RP。遺伝の形式について。ロービジョンケアについて。
6)RP。遺伝について。
7)RP。光覚。光覚の患者への治療法、他の研究について。
8)RP。現在はまだ見えているが、夜盲あり、今後の事について。
9)RP。病気についての詳しい事が知りたい。(基礎知識)、他。 
10)RP。引越しを考えております。
   その場合 海辺の真際だと 紫外線が強くて、網膜色素変性症の眼に悪いのかどうか、
   また進行が早まるようだと怖いので。
11)RP。白内障の手術を8月にしたが、その後の経過などについて。
12)増殖性硝子体網膜症:黄斑部円孔斑(?)の手術後に増殖性硝子体網膜症となる。
   治療法等予後についての相談。
13)RP。病気について:治療法など。
14)RP。生活への不安。ルーペについて、他。
15)RP。病気の進行の不安、レスキュラRの、薬の使用について治療法の現状について。
16)RP。病気の事、白内障の事、他。
17)強度近視、網脈絡膜萎縮、緑内障、白内障あり、総合的な相談。
18)RP。視野と明暗の関係について。日常生活での注意点、他について。
19)RPと緑内障。
20)緑内障が進行し、不安を感じている。

病気に対する不安感が多く、遺伝について、治療についての質問が殆どです。

私が担当した質問は、6)〜10)です。

6)の質問内容は、「ある病院で難病疾患指定用紙の遺伝のところに“不詳”と記入されていますが、それ自体が不安に思っている。そして、孫に遺伝しないかも不安です。」
70歳代ご夫婦二人で来られ、ご主人がRPです。しっかりと歩いておられますので、病期はそれ程進んでいないと思いました。 回答:親兄弟、子供、親戚にも誰も網膜色素変性症の人はいないとの事ですので、「恐らく孤発性と思いますが、不安でしたら遺伝相談室もある病院を受診されても良いと思いますよ。」述べ、一応、劣性遺伝、優性遺伝、伴性(X染色体性)遺伝などについて説明しました。その中で、劣性遺伝が40数%で、孤発性が35%位で、お孫さんに遺伝する確率は非常に少ないと思いますと申しました。

7)のに内容は、「光覚しかありませんが、新しい治療法や最新医療について教えてほしい。」
60歳代に男性で、家族3人で来られました。雰囲気は大変明るい感じでした。 回答:網膜再生医療、遺伝子治療、人工視覚について説明致しました。最近の話題では、文部科学省が、5年以内に、iPS細胞(人工多能性幹細胞)を使って臨床研究を始めます。最新治療に期待が持てますとお話しました。

8)の内容は、「今のところ、夜盲だけで、仕事にも差し支えありませんが、今後の事が心配です。」と中堅の会社員の方でした。ご夫妻で来られました。 回答:今のところは、暗いところでは、性能の良い懐中電灯をもって視にくい時は使った方が良いでしょう。溝に落ちたり、アクシデントが恐いですよ。今後の事ですが、進行しますと仕事に多少支障が出る可能性がありますので、卓上で出来るような仕事、例えば視覚障害者用のコンピューターに慣れとおくとか、患者さんの会に出席して経験談をお聞きするのも良いと思います。実際に視覚障害の方でも立派に仕事をされていますよ。

9)の内容は、「網膜色素変性症と診断されていますが、主治医の先生が薬は使いません。少し不安でし、病気の事についてもっと知りたいと思っています。」と40歳くらいの男性の方でした。 回答:病気は進行性ですが、その程度はまちまちです。完全に失明しない方も多いですよ。今のところ確実な治療法はありませんが、私は、一応お薬をだしています。主にアダプチノール、末梢循環改善剤などです。最近、緑内障の治療薬のレスキュラが良いという報告もあり、使う事もあります。根本的な治療ではありませんが、何もしないより良いと思います。主治医の先生とご相談下さい。最新治療についても説明しました。

10)の内容は「未だ若いですが、今も視力0.1、視野10°位で、主人と相談して環境の良い施設に入りたいと思っています。でも、そこは海辺近くで、紫外線も強そうですので、病気が進行しないかどうか心配です。」と50歳前後の女性の方でした。 回答:まず、遮光レンズを使用して下さい。現在の病状から進行しますと日常生活にも支障が出る可能性がありますので、お部屋も住む易く工夫したり、日用品も使い易いものを探した方が良いでしょうね。また、ご主人(健常者)が出勤されて後、視覚障害者用のコンピューターを今から使用して、出来るだけ外部の方(お友達と)とコミニュケイションが取れるようにメールのやり取りをし下さい。また、いろいろな情報も知る事ができますよ。

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